大げさかもしれませんが、【イラストレーターでタティングレシピ6回コース】を受講してから、世界が変わりました。
無料でいろいろなソフトがあるのに、なぜIllustratorでレシピを描くことをお勧めするのか、お話しします。
手描きレシピでは時間がかかるし、伝わりにくいし、管理が大変
パソコンがまだまだ一般に広まっていない時代、お教室の先生は簡単な手描きレシピに目数を入れ、お教室で説明しながらタティングを教えていました。
本ですら、手描きできれいに描いていたのです。
実際手描きで図を描いてスキャンして、コピーして渡していても、間違いが見つかった時に書き直しになったり、見えにくい数字や抜けているところはレッスン中に生徒さんが自分で書き込んでいたりしました。
絵の上手な人はいいでしょうが、私は絵も字も下手なので、最初のころに簡単なレシピを描くのですら時間がかかり、結構苦労しました。
それどころか、コピーしているうちに原本がわからなくなってしまい、コピーのコピーなどのレシピをお渡しすることになってしまっていたのです。
WordやExcelやお絵かき機能でもできるけど・・・
次に私が目を付けたのが、WordやExcelで文字レシピを打つついでに、その機能の中の図形を使うことです。
丸や直線、曲線を駆使すれば、図はできるのです。
実際、今は廃番になっている当店の最初のころのキットはこれで作っています。
しかし、何もわからず、絵を描くようにすべてフリーハンドで手の代わりにマウスを動かして作っていましたので、手首の親指側のぐりぐりの所を痛めてしまい、半年くらいサポーターをつけることになったのです。
家庭用の小さなマウスがいけませんでした。手首が下を向くのは不自然なのだそうです。
そこで親指が上を向くようにマウスを変えてみました。
その時見つけた腱鞘炎防止マウスです。
Illustratorができるアルバイトの出現
こんなに時間がかかっては非効率、手首も痛いし・・・
ということで、運よく前職でIllustratorを扱ったことがあるアルバイトがいましたので、作業を頼むことに。
ただ、タティングの技術が私もアルバイトもまだまだの時代、どういう風に描いたらいいか、説明はどう入れるか、結局相談しながら描きましたので、時間は2倍、そして残業が増え、人件費までかさんでしまったのです。
初期の畠山先生のキットが、このアルバイトの作業で作られています。
そして、もう一人のIllustratorが扱える短期のアルバイトも来まして、畠山先生のバッグの本が完成しました。
畠山先生の1冊目の本はプロに頼みましたが、2冊目のバッグ本は畠山先生とアルバイトによる全くの自作出版本となりました。
40ページ 12作品 (うちアレンジ作品1点 編み図11点)バッグを作りながら同じ要領でネックレスやスカーフなどアレンジが出来る、タティングレースでも身につける小物が出来るアイデア満載の1冊です。カラー写真と、目数入りの編み図でわかりやすく解説。
【イラストレーターでタティングレシピコース】開催へ
畠山先生も私もイラストレータでは苦労しました。
そこで井川先生にお願いして、Illustratorを使ってタティングレシピを作ることに特化したお教室をしていただくことにしたのです。
井川先生も教えることは初めてでしたので、まず畠山先生と私が一番最初の生徒になることに。
『ダブルクリックって2回押すの?』からのスタートですが真剣です!
レシピを作りたい!タティングを愛する気持ちというのは同じですので、ただパソコン教室に行ってレッスンをするよりは、はるかに濃厚で、充実したレッスンだったと思います。
6回のコースを終え、2人は無事にキットを発売することができました。
これを踏まえて、井川先生の【Illustrator タティングレシピ】のレッスンができました。
今はレッスンは動画になり、オンラインで質問もできます。
こちらはタティングまつり2021 井川先生のイラストレーターのデモンストレーションの動画です。
イラストレーターで何が変わったのか
仕事柄、パソコンには慣れている方ですが、頭の中は昭和人間の【アナログ】なので、以前なら、『繰り返すことはコピペ』と思っていたのですが、デジタルでは違います。
リングが12個ある円なら30度ずつ繰り返し、一直線に10個あるなら等間隔で繰り返すのです。
Illustratorによって図を描くのはもちろん楽になったのですが、なんか考え方が【デジタル】に変わったような気がします。
下の画像は、パンジーの色を変えた時のものです。
以前なら、一つずつ線を選択して、全部選択し終わってから色を変えていたけれど、今は濃い紫全体を指定して、それを赤紫に変えると…1回で全部の紫が、赤紫に。
実際に色違いのパンジーを作るのに2日かかりましたが、色違いのレシピは3クリックでできました。
機能にも驚いたのですが、これが出来るはず!と考えた自分自身のデジタル思考に驚きました。
無料のソフトがあるのにIllustratorをお勧めするわけ
レシピを作るなら、今は無料のソフトもいろいろあり、同じような機能も備わっていて、個人で使う場合はそれでもいいと思います。
それでも私がIllustratorをお勧めするにはわけがあります。
- 世界中で使われているため、精度の高さと機能の豊富さが世界基準
- 使う人が多いため、解説動画やブログがたくさんあり、わからないときに検索ですぐ教えてもらえる
- 本やパンフレットにするとき、印刷所に入稿したりするデータのやり取りが標準
- そして一番の理由がこれです!
おかげでこの3年間で、50個ものキットを製作し、今では主力商品となっています。
Illustratorがわかったからキットができるというわけではありませんが、Illustratorを知らなければキットを作ることはできなかったのです。
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