パールタティングって、なんでパールタティングって言うんですか?ついでにマルチーズリングも⁉

タティングレース

パールタティングの語源が気になる・・・

パールタティングってなんでパールタティングって言うんですか?について、何回か書いた店長日記をまとめます。

ブレスレットのようなカフス on カフス

1916年 アメリカ Richardson’s Tatting Book No.7 Insertion With Braidからのアレンジ サイズ21cm×3cm

真ん中のブレードは簡単ですが、外周はシャトル2個でパールタティングのように2方向からうね編みで囲っていきます。ボタンホールのようになっているので、ブラウスにもともとあるボタンに取り付けるタイプのカフスです。

2020年12月に再現したものは、地味かと思いきや、意外に好評な【カフス on カフス】です。

真ん中は簡単ですが、外周は3本の糸でうね編みで、パールタティングのように囲っていきます。

カフスについているボタンに引っ掛けて使うので(これはオリジナルで考えました。もともとあるのかもしれないけれど・・・)

その名も【カフス on カフス】です。

ここで【パールタティングのように】と言っているのには訳があります。

パールタティングの意味や語源が怪しいからです。

盛本先生が【いちばんよくわかるタティングレース】を出版される時にも、どうしてパールタティングって言うか知ってる?と聞かれたのですが、どこを探してもわかりません。

マルチーズリングは、マルチーズの顔みたいだからじゃない(^_-)なんてごまかしましたけど・・・

パールタティングはパールを入れているからではない

日本で説明されている【パールタティング】は3本の糸で片側のダブルステッチのピコの間で、反対側のダブルステッチを入れたものが多いです。

それに紛らわしいことにパールを入れたデザインがほとんどで、パールを入れたタティングを【パールタティング】だと思っている方も多いです。

井川先生の以前のキットもパールタティングにパールを入れたものでした。

しかし、パールを入れているからパールタティングではありません。

海外サイトでは、いろいろなパターンが出ています。

その中で1つGeorgia Seitzさんのブログの中に【Pearl】【Purl】とが同列に並んでいて、【Purl】は 編み物用語のようです。

糸を残すことから、溜めておく、プールしておくの【Pool】も考えられます。似たような言葉が語源の可能性もあるからです。

カフスの周りは3本の糸で上と下を交互につないだりピコを入れたりしていますので

【パールタティング】ではなく【3本の糸を使ってパールタティングのように】と説明したのです。

本当の意味をご存じの方がいらしたら、ぜひ教えてください。

パールタティングって1867年からあるらしい

2021年2月 以前パールタティングの意味がわからんと投稿しましたが、TATTING TEAHNIQUE & HISTORY を何気なくパラパラ〜っと見ていたら、記述がありました。

1867年発行の The Pearl Tatting Book (Mlle Riego) の中で、芯糸を引いたときに両側に自然にできるものを、ピコまたは『パール』と説明しているそうです。

真ん中が芯で、両サイドの2本の糸で交互に目を作るために自然と隙間ができ、その隙間を寄せたものを、丸い見た目で『パール』と便宜上呼んだのでしょう。

パールを入れるからではありませんね(^^)

1867年と言えば、日本では大政奉還の年。

もし日本人がこのパールタティングを発明していたら、見た目で『おだんご』なんて呼んでいたかもしれない⁉︎

そして歴史を研究した外人さんは『ODANGO』ってなんだ?

ライスケーキを糸で縛ってたかな?とか思ったでしょうね。

助太刀先生の解説現る!

2022年8月 プレミアム会員のオンラインレッスンで、ka-ryun 佐藤先生のパールタティングのレッスンがありました。

一般発売は来年になりますが、そのレッスンの中でちょっと補足解説されていましたので、追記します。

An Illustrated Dictionary of Tatting には、隙間にできる糸(ピコ)をPearl(パール)と言うとあり、Complete Book of Tattingには、ビクトリア時代にはピコをパールと言い、それで作ったブレードをパールタティングと言っていたという記載があったそうです。

Ka-ryun 佐藤先生【パールタティングのリボンポニーフック】オンラインレッスン記録動画より

英語の本、よく読むといろいろ書いてある

結局、昔の本やテクニック、歴史の本にいろいろ書いてありました。

マルチーズリングの由来や、リングだけのお花の最後のつなぎ方?の正式名称など、まだまだ隠れているかもしれません。

新しく考えたようなテクニックも昔からあるかもしれないし、知らない技法もあるのかもしれません。

今後も気になったことをいろいろ調べてみたいと思います。

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