オランダのチューリップバブルを題材にした、『チューリップフィーバー』をご紹介します。
オランダの昼顔と言われる映画
17世紀オランダ 、フェルメールの絵から生まれた、そのままの世界感の物語。
チューリップの球根で邸宅1軒が買えるほどのチューリップバブルに熱狂し、愛や人生をも狂わせていく人々。
そしてこの映画の中では、裕福な男性や奥様の高級なレース、シスターの襟元、侍女の襟や袖口まで、いろいろなタイプのレースの使い方を見ることができます。
内容はオランダ の『昼顔』と言われているように、ちょっと濃厚ですが、いや、衣装が見たかったので…
それにしても、球根一つで人生が変わるほど熱狂するって、分からないですね・・・
少し前のタティングフィーバーもどこへ行ったやら(>_<)
3億円のチューリップ
チューリップバブルのテーマで、邸宅1軒分の高値で取引されたのはセンパー・オーグスタス(Semper Augustus)という品種です。
赤と白のこの模様は今ではウイルスに感染してできる突然変異とわかっているのですが、当時はどんな花を咲かせるかも分からない球根の状態での売買され、1637年には1個3000ギルダー(約3億円)の最高値を付けました。
これぞまさにバブル!(画像はその年のチューリップのカタログ)
映画からイメージしたタティングで先に作ったのは、襟ではなくチューリップの方でした(>_<)
【古書再現&タティングにしたい映画より】
チューリップ・フィーバー
17世紀のオランダでは、空前のチューリップバブルが起こり、1637年に最高値を付けたのは、赤と白の縞模様のチューリップの球根だったとか。
邸宅1件分(今の価値で約3億円)ほどの値が付いて、史上初のバブル経済のもととなった赤と白のチーリップをイメージして作りました。
PRISCILLA TATTING BOOK No.3のテーブルランナーよりアレンジ
チューリップだけではない!衣装にご注目
チューリップフィーバーでよく見た襟を作りたくて調べましたが、16世紀〜17世紀のオランダでは、裕福な人が多く、かなり高価なレースの襟が流行っていたようです。
有名なのは襞襟ラフRaff(天草四郎でお馴染みの)
動きやすく平たい布を折り返した襟 ラバ Rabat
おそらくシャツカラーの起源ですね。
四角い布を折り返して中に入れただけなので、取り外して洗濯ができます。
その後に流行ったのは、おしゃれに敏感だったルイ14世が、宮殿の傭兵が首に巻いていたシンプルな布が気になり作らせた、マフラーのようなもの。
傭兵はクロアチア出身だったことから、Cravateクラバット(フランス語で「クロアチア人」)と名付けられました。
このクラバットはネクタイの起源と言われています。
ネクタイとシャツカラーは残っているのに、あの襞襟は後にも先にもあの時代だけの特別なデザイン。
残っていないところを見ると、ものすごく着心地が悪かったのでしょうね。
ラバ(Rabat)を再現する
昔母が草むしりなどする時に、ガーゼのハンカチを首に巻いているのを見てダサいなあと思い、何故なのかと聞いてみますと、汗が垂れるからだそうな。
その頃はサウナに入っても汗が出ないほどの冷え性だったので、なんとも不思議でした。
50も過ぎてなんとなくわかってきたのですが、母ほどではないものの首周りにベトベトとした汗をかくようになり、それが肌を刺激するのかヒリヒリとします。
ああ、これかと。
先日のオランダの襟の中から、折り返しの襟【ラバ】を作ろうと生地を探しに行きました。
透け感のあるレースも良かったのですが、肌触りを考えてダブルガーゼになりました。
昨今のマスク特需で、色々な色柄のダブルガーゼがずらりと並んでいたので選び放題でしたが、糸の色が特殊でしたので、無難に霜降りのグレーに決めました。
さて、母のガーゼのハンカチより、品良く出来ますでしょうか…
さらっと襟にしてみました。淑女のラバ1号です。
17世紀オランダのレース襟のデザインをもとに、1920年ドイツ発行のFrivolite の中のコーナー(角)部分を使いました。
なかなかかわいくなったでしょうか。
私にはかわいすぎたので、着画はバイトです。
なんでこんなのを作りたかったんだろうとかを考えたら、まだチューリップフィーバーを引きずっています。
その後もはまってたくさん襟を作りましたが、長くなってしまったのでまた後程・・・
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