値段を決めるのは誰だ?ハンドメイドの値段と経費のいろいろ

ハンドメイドビジネス

いくらにすればいいですか?

みなさんは、商品を売る時、値段はいくらにしたらいいか?と迷う事はありませんか?

ハンドメイドの場合、今まで商売をされたことのない方が急に値段を付けなくてはならず、『いくらがいいですかね』・・・と逆にこちらが聞かれることも多いのです。

はっきり言いますと、値段はいくらでもいいです。

計算の仕方はいろいろありますが、売れた時、それが正しい値段だからです。

値段の出し方

ビジネス的に厳密に言えば、商品の値段=原価+経費+利益ですが、ハンドメイドの場合そうもいかないことが多々あります。

ショップやイベントの場合

100円ショップの材料で、家事の合間にかわいいものを作り、1000円程度で売れたら嬉しし、儲けものでしよう。

ただ、余暇を楽しみお小遣いができたとしても、家族の住む家の家賃や光熱費が払えるほどの利益が出ている方は少ないと思います。

手作り展などのイベントや雑貨店の展示などに出してみると

・出展料・場所代・販売手数料
・什器代・照明代・ディスプレイ用品
・人件費・交通費・食事代
・輸送費・箱や袋などの包材費

と何から何までお金がかかることに気づくでしょう。

ハンドメイドを販売する場合、かかった時間と経費と、値段の折り合いをつけるのが、一番苦労されるところだと思います。

それに、同じようなものを素早く見栄えよく作ることができ、ディスプレイや接客のコツがわかっている先輩たちの中では、お客様に見ていただくだけでも一苦労なのです。

やたら高い値段をつけても心が折れるだけなので、何回かは勉強代を払ったと思って、周りをよく見て、いろいろ探ってみて、慣れていく必要があります。

通販サイトの場合

minneCreemaなどのハンドメイド通販サイトの場合、出展料や手数料は手頃ですので、出品しやすいかと思います。

プロ並みの作家さんも多く出品していて、どのようなものが売れているかの参考にもなります。

たくさんの作家さんが出しているので、他の作家さんの値段も参考に、高過ぎず安過ぎずの値段をつけなければなりません。

かかる経費が少ないので簡単に始められますが、たくさんの商品の中で埋もれないように、買っていただくためのご自身のアピール等の努力も必要です。

オークションなどの場合

ヤフオクなどのオークションは、買い手がいれば競争してどんどん値段が上がるシステムです。

1円から出したとしても、お客さんが値段を付けていき、入札がなくなった時点で一番高い方が落札します。

しかし、最終的に落札された値段というのは、お客様が買いたい値段ですので、有名な作家さんでない限り、思ったより高く売れることは少ないでしょう。

1円で落札されてしまうこともあるので、在庫処分以外はお勧めできません。

ブランドの価値を出したい場合

何年か前に100万円の値段の付いたタティングレースの襟を見ましたが、あれは売るつもりの値段ではなく、買われないようにするためと、価値を知らせるための看板代わりのプライスでしょう。

このように、売れなくてもその商品の価値を損ねないために、あえて高くすることもあります。

この仕事の前にデパート催事をしていた時、売れなくて困った時は、商品の値段を上げると売れる事がよくありました。

イベントと違い、デパートなどで販売するときは、安すぎると価値がないと思われて売れないのです。

高い安いにも訳がある

なぜオリジナルの商品が市販品より高くなるかを解説します。

自費製作は原価が高い

値段を高くしてぼろ儲けを狙っているからではなく、メーカーより開発費や原価や経費が割高だったり、売れる数が少ないため、それが商品の値段に反映されるためです。

でも少ししか作らないからこそ、失敗を恐れず、大量に売れないだろうコアな商品も売ることができます。

メーカー品が安いわけ

メーカーは大量に作りコストを抑え、大まかな宣伝をし、決まった小売店に販売します。

小売店は、家賃と人件費を出し、細かな宣伝費を出し、不特定多数に売ります。

これによって、メーカーは経費を抑えることができ、小売店は原価を抑えることができるので、安価安定するのです。

普通の人には経費はわからない

販売していると、「高い!」「自分でも作れる!」と言われることがあります。

率直なご意見として重要なこともありますが、あからさまに言われるとかなりへこみますよね?

経費がこれだけかかっていると説明するのも悔しいくらいです。

買う買わないはお客様の自由ですが、せめて”値段にも訳がある”とご存じの方(ご自身でハンドメイドを販売している方)は、心の中で思っても口に出さないで、そっと応援ほしいなと思います。

もちろん売れないときは、それが答えだと思って、値段や売り方を考え、改善しなければいけませんよ。

目に見えないその他の経費

わかりにくい経費で、送料とクレジットやキャッシュレスの手数料というのがあります。

送料無料の罠

送料無料でないと買わないという方がいます。

でも送料無料とは、送料がタダなのではなく、販売側が送料を負担しているということなのです。

前の仕事で楽天に出店した際、

会計の際、後から送料がかかる時のかご落ち率(キャンセル率)は過半数

このかご落ち率を下げるには、商品価格に転嫁してでも出来る限り送料無料にすること!

と教わりました。

定価が決まっているメーカー品は値上げすることが出来ませんが、値段が決まっていないオリジナル品では、送料無料をやめるか、送料分も含めた値段を考えなければなりません。

キャッシュレスの罠

政府が進めているキャッシュレス化も、販売側としては問題です。

その手数料は販売側負担だからです。

昔クレジットとは、手持ちのお金がないお客様に、高いものを後払いで買ってもらうためにあったシステムでしたが、今は100円でも、お金はあっても、手軽さとポイントの為にキャッシュレス決済が使われます。

その都度3~5%の手数料を取られ、割引をしているのと一緒です。

その上、入金までに時間がかかるものもあります。(当店では翌平日に入金されるsquareを使っています)

2023年10月からはインボイス制度(詳しくは下記の記事へ)なども始まり、ますますハンドメイドの個人事業の負担が増えていきます。

その負担を、どこで回収するのか、損して得が取れるのかが、今後の課題です。

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